「雨と風」

雨漏りの原因は、当然「雨」漏りと言うぐらいなので“雨”。

しかし、“雨”が降っただけでは起こらず、他の要因が重なった時だけ起こる場合もあります。
特に“風”のチカラが加わると、雨の向き・強さなどが変化し、通常では起こらない雨漏りが発生してしまう場合があります。

このような場合は、雨漏り発生時の現地の気象状況を詳細に知る必要があり、ただ“雨が降っていたから・・・”というだけでは、雨漏りの正確な原因 を突き止めることが出来ず、安易な補修や対策を行って適切な対応が取られていないために、その後も同じ原因での雨漏りが発生してしまう要因にもなってしまいます。

どんなものにも必ず根拠がありますので、その根拠から道筋をたどり結果につながれば、対応策が見えてくるわけです。

しかし、正しい根拠をさぐり、適切な対応策をとるためには、建物の構造や使用している材料などを理解したうえで、“雨”のこと、“風”のこともできるだけ理解しなければなりません。

雨漏り発生時の風は、どの方角からどのくらいの強さで吹いていたのか?

建物の立地条件や周辺環境によって、どのような角度や向きで風が吹き付けるのかを考えて、風当たりの強い角度を検討します。

そして風の強さを考えることにより、どの位置まで風が雨水を押し上げたり、巻き上げたりするかが見えてくるのです。

それから、
その時の雨量や雨水の粒の大きさを知ることも重要です。

単純に雨が風によって巻き上げられ易い条件を考えると、“雨の粒は小さい”ということになります。雨粒の重量によって、角度が付き易いか付き難いかが変ってくるからです。

そして雨粒の大きさが理解できれば、さらに状況が見えてきます。

このような状況を判断し考えていくと、雨水が浸入する可能性のある箇所が見えてきます。

しかし、何かを見落としてしまったり、勘違いや先入観を持ってしまう場合ないとは言えません。

外観ではわからないからと言って、建物を壊して中を見るわけにもいきません。

そこをカバーするのは、知識と経験の積み重ねです。
そして、現状や原因を正しく伝え、お客様の立場に立った正直な対応をしていくことが大切です。

雨漏りは発生しないに越したことはありません。

雨漏りが発生してしまうと、当然、心中穏やかではありませんし、慌ててしまうこともあると思います。

もし、雨漏りが発生してしまった時は、その後適切な対策を取り、再度雨漏りが発生しないために、雨漏り発生時の、雨の強さ、風の強さ、風の向き、雨漏り発生箇所の状況など、詳しくメモなどを取り記録しておくことも必要だと思います。