塗装工事と雨漏り

塗装工事の基礎知識

建築物に塗装を施す目的(役割)は、大きく分けて3つの要素があげられます。

  1. 被塗装物を保護して、その耐用年数を伸ばす目的。
    金属などの腐食防止
    金属のなど錆防止(抑制)
    セメント系素材(コンクリート、モルタルなど)などの中性化防止
    防水型の塗膜による建物への防水効果
  2. 意匠性を付与する目的。
    豊富な色によって比較的容易に意匠性を高めること。
    艶あり、艶なしの調節によって質感をコントロールする。
    経年劣化によって美観が失われても塗り替えることで容易に美観が回復。
  3. 特殊機能を付与する目的。
    防カビ・防藻などの機能を付与。
    遮熱、断熱、耐熱などの機能を付与。
    光触媒などの汚染対策機能を付与。

上記の目的・役割の中で、特に雨漏りに関連するのが、「防水型塗膜による建物への防水効果」と言えます。具体的には、外壁の塗り替え工事などの際に、しっかりと雨漏りに対する備えをする必要があるということです。例えば、外壁の塗り替え をする際に、先々の雨漏りに対する備えとして、防水性の高い塗料を選択するという配慮が大切になるということです。外壁塗装の際の塗料の選択を誤ると、先々雨漏りのリスクを背負うケースも考えられます。

また、雨漏りしている物件に呼ばれて、調査に行ってみると、実は半年前に建物全体に足場を組んで外壁塗装工事をやったばかりだと言います。そして、雨漏りの原因を調べると、外壁に貫通している換気フードまわりのシーリングが劣化し剥離している部分からの浸水だと判明しました。
2階建て程度の低い建物だったらまだいいのですが、5階建てや6階建ての建物になると、梯子や脚立で作業 できるものではありません。ですので、その雨漏り原因である換気フードまわりのシーリングを補修するためには、部分的に足場を組むとか、高所作業車をリースしてくるとか、何らかの高所作業のための仮設工事が必要になります。これは費用的にも精神的にも相当な負担になってしまいます。
もし、半年前の 外壁塗装工事のときに一緒に処理しておけば、わずか数千円で済む補修工事が、その時に手をつけなかったばかりに、何十万円もかかってしまうわけです。この ような無駄な出費や失敗を避けるためにも、大切な建物の塗装工事の際には、事前にしっかりと勉強しておくか、知識と経験が豊富な実績がある業者さんを選択 することが大切です。

ただ安いからという理由だけで業者さんを選ぶと、あとから大きな代償を払わねばならなくなることもあるのです。