昨今の建築の現場において、雨から建物を守るための中心的な技術が防水工事です。現代の建築物は「防水工事の技術」なしでは雨を防ぐことは出来ませ ん。ひと昔前であれば、防水工事に頼らずとも「雨仕舞い」の技術だけである程度の雨を防ぐことは出来たのですが、最近の建物はそのデザインや形状など様々 な条件の影響で、防水工事に頼らざるをえないのが現実です。ですので、雨漏りを解決するためには防水工事について知る必要があるのです。
建物の防水工事は、その施工形態から大きく分けて3つの分類が出来ます。まず第一に「塗膜防水工法」があります。この工法は液状のものを現場で 塗って膜を作る工法です。特徴は連続した膜を作ることができることですが、下地の凹凸の影響を受けやすい傾向があります。また、膜の厚さの管理が重要に なってきます。ウレタン防水やFRP防水が代表的です。
次に、「シート防水工法」があります。これは膜状のもの(シート)を現場で貼って(密着・機械固定式)防水する工法です。特徴は均質で安定的な品 質であることですが、施工上ジョイントができるため重ね部分での段差の処理方法が重要になってきます。加硫ゴム系シート、塩化ビニル樹脂系シートが代表的 です。
3つめに「複合防水」があります。これは現場で、膜状のものを液状のもので張り合わせる工法です。前述の「塗膜防水」と「シート防水」の欠点を補い合う点が長所ですが、逆にいえば双方の欠点を合わせ持つことにもなります。
おもな防水工事の工法。
- アスファルト系防水工法
熱工法、トーチ工法、常温工法、塗膜工法など - シート工法
加硫ゴム系シート工法(密着、機械固定式)
塩化ビニル樹脂系シート工法(密着、機械固定式)など - 塗膜防水工法
ウレタンゴム系塗膜防水(密着、通気緩衝)
FRP系塗膜防水(密着、通気緩衝) - セメント系防水工法
モルタル防水
ポリマーセメント系塗膜防水
とにもかくにも昨今の建築物は「防水工事」の技術なくしては雨をしのぐことは出来ないのが現実です。雨漏りを予防し建物を長持ちさせるためにも、しっかりとした防水工事をやっていきたいものです。