雨漏り修理の基礎知識
雨漏り修理には大きく分けて2つの考え方があります。一つは1次防水の段階で雨漏りを防ぐ「1次防水での雨漏り修理」。もう一つが2次防水の段階 まで処置し、根本的な解決を目指す「2次防水まで含めた雨漏り修理」です。しかし、どちらかが正しくて、どちらかが間違っているという話ではありません。 それぞれにいい面があり悪い面もあります。
まず「1次防水での雨漏り修理」は、ほとんどの場合シーリング材や塗膜防水材を使用して修理することになります。この修理方法だと、工事費用は比 較的に安く済みますが、その効果は全てシーリング材と防水材の能力に頼っているワケですから、それらの耐用年数しか効果が維持しないということになりま す。そして、それらの耐用年数がすぎて劣化してしまうと、2次防水は手つかずなので、また雨漏りが再発する可能性が非常に高いことになります。
また2次防水に不具合があるままということですので、雨漏りが止まったとしても建物として完全に正しい状態であるとは言えず、そのあたりが施主としては不安が残る点でもあります。
次に「2次防水まで含めた雨漏り修理」は、根本的な解決方法となります。2次防水ま で処置するので、仮に1次防水であるシーリングや塗膜防水に劣化や不具合が発生しても雨漏りすることはありません。建物として本来の正しい状態に戻すわけ ですので、施主としても大きな安心を得ることが出来ます。ただし工事費用は「1次防水での雨漏り修理」と比較してかなり高くなってしまいます。
また、全てのケースではありませんが、2次防水まで処置することによるリスクもあります。特に木造モルタルの外壁などでは、2次防水であるアスファルト フェ ルトまで処置するには、不具合箇所のモルタルを剥がす必要性があるのですが、その際に、既存のアスファルトフェルトに破れが生じてしまったり、施工部位の 形状によっては本来の貼り方と反対の逆貼りの状態を生み出してしまうケースもあります。それらのリスクについては予め把握しておく必要があります。
いずれにしても「1次防水での雨漏り修理」にも「2次防水まで含めた雨漏り修理」にも、それぞれに長所があり短所もあるということです。
あくまでも館長の主観ですが、望むべくは「2次防水まで」、費用対効果で考えれば「1次防水での処置」というトコロでしょうか・・・